姉  愛しい。何かが。それが何か知り得ない。  それはずっと気付けば物心着いたときから私の中にいた。  私はそれが愛しくてたまらない。何がと聞かれても、どんなだと聞かれても答えられな い。それが人か、人外かも。 ただ判っていたのはそれが女性であると云う二とだけ。 生まれたときから運命付けられたかの様に、愛を彼女に求めた。 それに気付いたのは高校生の時。 そしてある時悟ったのだ。彼女は私の姉ではないかと。 産まれて来る二との叶わなかった。私の唯一の姉妹。 そう思うと私の中の全てが帰依したかのよう。 夢は覚めた。もう夢を見ることは無い。見たくはない。決して、永久に。  でも私は愛しているよ、唯一の姉妹。好きになっていいですか。決して裏切りはしない。  でも私は愛しているよ、姉さん。人に何と言われようとも。”自閉症かい?” ”分裂 症かい?”いいじやないか。例え、近親相姦呼ばわりされても、姉さんしかいないんだ。  その瞳に映る自分が醜くて、次の自分が見えて二ない。  愛してるよ、本当に。姉さん。例え肉体が崩れても、心だけは繋がっているのだから。