菱紋は、斜方形を基本パターンとして、紋章かしたもの。菱の葉や実をかたどったもの出はなく、斜方形がさきいあって、たまたま、菱の葉や、実に似ているので、その名称を借りたに過ぎない。

そういう意味から植物の部ではなく、文様の部にいれたものである。

我が国でもはやくから用いられていたことがわかる。正倉院の御物にも見られるし、平安時代の絵巻物にもみられる。

菱紋のカタチは、幾何学模様を基本パターンとしているものと、植物様の図案をもととしたものとがある。

植物様のものは、唐花菱といわれる。

実際には、その様な花はない。

三菱財閥の祖である岩崎弥太郎の家紋は三階菱であるが、会社を設立するにあたり、これを<人>がたにあらため、三つ菱のカタチを創案した。「事業は人なり」という、かれの信念を社章に盛込んだものである。