*月星・九曜紋解説*

<月星紋>

月星紋は月と星、すなわち北辰や北斗七星を組み合わせたもので、中国伝来の信仰から来ている。

最澄がが、叡山に妙見菩薩の像を祀ったのがはじまりだといっている。その像は、甲冑刀剣に白蛇

を身にまき、霊亀を踏んだ勇ましいポーズであった。武神にふさわしいこの姿は、七つの星の妙光

を持っていた。これが為に北辰信仰と結びついたはのは、大変面白いことである。

さて月星紋は平氏良文流千葉氏、および一族専用の家紋であるが、平良兼、良文兄弟が同族の国香と

戦った時に、妙見菩薩を信仰して九死に一生を得たとある。

千葉氏は、良文の曽孫・常将のとき、下総千葉郡にすんでいたので地名を氏とした。武蔵に進出し、

赤塚に居城した。この地にある松月院が菩提寺で、やはり月星紋である。月星紋には[月と星]

[月と三つ星][月と七つ星][月と九曜]などいろいろあるが、みな千葉一族の紋である。

<九曜紋>

九曜とは古代インドで占いに用いた星の事で、羅ご、土曜、水曜、金曜、日曜、火曜、月曜、木曜、

計都(けつ)の九つを言う。これを仏身に具象化して、不動明王、聖観音、弥勒、阿弥陀、千手観音

虚空蔵、釈迦、勢至、薬師とした。この九曜を集めたものが九曜曼荼羅という文様である。

九曜紋は、まんなかの丸を中心に、八個の少し小さい丸をまわりに巡らしている。これが基本パターン

である。