鶴はなんといっても鳥類の貴族の感がある。悠々と大空を飛ぶ姿は極めて端麗である。

長寿にいわれは中国の思想から来ている。鶴は確かに長命で、日本の動物園で、丹頂鶴が50年以上飼われた例がある。

めでたい鶴の文様は、平安時代のはじめには、すでにひろがっていたらしい。

鶴紋のパターンは、飛んでいる姿を舞鶴といい、「のぼり」と「おり」に分ける。また立っているのを立ち鶴、二羽むかいあっているのをむかい鶴という。

一羽が口ばしを開き、他が閉じているものがある。これは「阿吽」をあらわしたもので、二羽ともくちばしを閉じている時は、一羽は脚をあげるのがしきたりである。