銭紋解説
銭紋は、古銭を紋章化したもの。
江戸時代に出来た寛永通宝の他は、みな中国から輸入された貨幣を選んでいる。
これは一見不思議そうだが、その頃、我が国では自国のお金の代わりに、中国のお金が通貨として、使用されていたからである。
史実によれば、和胴元年(708)和胴開珍という銅貨が鋳造されたとあるが、当時の貧しい貨幣政策では、思う様に国内に流通せず、二世紀半ばで製造中止になった。
それに代わって、もっぱら中国から銭を輸入し、便宜的に間に合わせていたのである。鋳造が再開されたのは、安土桃山以降なのである。