津海希:「土の匂いは好きだけど、歩く道はアスファルト舗装されているほうがいいわ」 渋柿:「ん? ああ、雨の日は泥濘で滑ったり泥が跳ねたりするからなぁ」 津海希:「野山育ちでも、私は都会派だから。あなたは獣道でも平気そうね」 渋柿:「まぁ時と場合による」 津海希:「せっかく来てもらったのに悪いけど、帰りは少し降られそうよ」 渋柿:「そんなに降ってる?」 津海希:「ええ。こちらは止むまでいてもらっても構わないけど。たしか用事があるのね?」 渋柿:「うん、三時には家に戻らないと。……今、何分だろう」 津海希:「ええと、二時半ね」 渋柿:「じゃあ、二十分ほどしたらおいとましよう」 津海希:「もう少しお茶を飲む時間はありそうね」