思わず涙した本や、大きくて静かな感動が得られた本
最後のストライク 津田晃代
広島カープの伝説のストッパー津田恒美の闘病記録。
32歳の若さでこの世を去ってしまった伝説のストッパー、津田恒美を知っていますか?当時、僕は熱狂的な西武ライオンズのファンだった。「ストッパーとして大活躍していたはずなのにいつの間にか新聞で名前を見なくなったなー」と漠然と思っていたのだが、脳腫瘍で亡くなったのを知ったときには正直驚いた。残念なことに津田選手のリリーフのシーンはあまりはっきりとは覚えていない。
この本は、故障からの復帰をかけた29歳の津田投手が脳腫瘍で倒れてから2年3ヶ月にわたる妻・晃代さんとの闘病記録をつづった作品です。結末を知っているだけに、性格を語る場面、倒れる直前の苦悩、闘病中の周りの人とのやりとり、そのすべてが涙無しでは読めない作品です。常に完全燃焼することを改めて決意させられた一冊です。
感動のシーン
.....乾いているはずの主人の眼には涙がいっぱいあふれていて、つーっと一筋流れ出た。
ケナリも花、サクラも花 鷺沢萌
最近、仕事で何度か韓国へ行くことがあった。隣国なのに、歴史、文化、現在の情勢、どれもよく知らない自分が恥ずかしかった。いつものようにふらっと本屋に入りなんとなく鷺沢萌の作品を手に取った。カバーの短い解説に目を通したとき、あ、この本はぜひ読まないとと思った。作者、鷺沢萌さんは韓国人の祖母をもつクォーターだそうだ。それを知ったのは作家としてデビューしたあとだったらしい。そんな作者の留学体験記がこの本だ。
まだ、すべてを理解したわけではない。だけど、韓国、日本、それぞれの国に住む人の考え方。お互いをどうとらえているのか、在日韓国人(僑胞)に対する認識の違い。感情的ひずみが生まれる背景。いろんなことがすこしだけ、わかったような気がする。この本のタイトルになっているケナリの花とサクラの花のシーンも良かったけれど、この本の最大のポイントは8章の「牛の一歩と小さな石ころ」だと思う。はっきり言ってしまうが、この部分はどれだけ感情移入したって自分のものとして理解はできないと思う。だけど、何度も繰り返し読み返したり、ぼんやりと考えているとその感覚はわからんでもないなぁ。という感じになる。ほんの少しだけわかった気になった、この感覚を大事にしていきたい。
以下、解説?感想をひまを見て書いていこうと思います。
シュリ チョンソクファ・カンジェギュ作 キムチュンギョン訳
地下鉄に乗って 浅田次郎
アルジャノンに花束を ダニエルキイス
恋愛時代 野沢尚
KYOKO 村上龍
ポネット ジャック・ドワイヨン 青林霞・寺尾次郎
氷壁 井上靖
斜陽 太宰治
アルケミスト パウロ・コエーリョ 山川紘矢・山川亜希子
フェイク ジョセフピストーネ 落合信彦
赤と黒 スタンダール 小林正
レミゼラブル ユゴー 佐藤朔
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