そもそも |
ブランニュ
1992年パリサロンで発表されたそれは、そのあまりにポップな形からコンセプトカーだと感じられた。
だが、トゥインゴのコンセプトが提示されたのはこのパリサロンが最初ではない。
遡ること、1987年
当時低燃費研究の先端にあったプロトタイプ「ヴェスタ」。
100kmあたり1.94リッターという、超低燃費を実現したプロトである。
そのスタイルはというと、若干角張ったデザイン構成であるがウィンドウスクリーンの傾斜など、トゥインゴのコンセプトに限りなく近いものがある。
その後1990年開発コードX06としてトゥインゴが産声をあげる。
1993年当時、フランスではボトムレンジを担っていたのは、ルノークリオ、プジョー106、シトロエンAX、フィアット500といった車だった。
しかし、それらは実用一点張りで、あまり遊び心のない車達であった。
そこに、遊び心いっぱいでアートセンスをくすぐるトゥインゴの登場。フランス人の心をとらえた。
当時ライバルのいないトゥインゴはデリバリーが開始されると、1年で24万台と、みごとスマッシュヒットした。
当初ルノー対象年齢を「若者」に設定していたが、実勢調査では多くは40代以降の高齢での支持が多かったようだ。
それは日本でも同じようで、ご年配の方がオーナーのケースをよく見受ける。
エポックメイク・・・トゥインゴにふさわしいコトバ。
トゥインゴの誕生以降、世界各国で同様に小型車が開発されるようになった。
トヨタヴィッツなどその典型であろう。
しかし、いまだにトゥインゴのコンセプトを完全に凌駕したモデルは生まれていない。
トゥインゴは今も、東欧、ブラジル、アルゼンチン、台湾と世界中で好調に売り上げている。
そして
2002年1月
トゥインゴの生産台数が200万台を突破した。
エクステリア
タイヤがボディーの四隅に、そしてその短いノーズに1.2Lの旧式OHVを積み、55馬力を発生させる。
短いノーズからフロントスクリーンはくびれなく一直線に描かれている。
3ドアスタイルのそのドアはボディ全長の40%は占める巨大なも。
リアゲートは四角にパックリ口を開き、使い勝手がよく設計されている。
バンパーは無塗装のものが装着されているが、ポップなボディー色を美味く引き立たせる色合いをみせる。
トゥインゴ2からはバンバーの形状が変わり、カラードバンパーとなった(ベーシックモデルは無塗装)。
また、灯火器類の造形が新たなフェイスに合わせ変更になっている。
トゥインゴ2にはパノラマサンルーフも用意された
インテリア
シートはフロントは若干、腿のサポートに欠けているように感じるが、数百キロをクルーズしても疲れを感じさせないのはさすがにルノーだと実感させられる。
ヘッドレストは座高の高い人には物足りなさを感じるかもしれないが、必要十分というところ。
リアシートは5:5分割式で左右一緒に前後にスライドする。もっとも後ろにスライドした状態では、大人が足を組むことができるぐらい広大な居住空間が生まれる。
スイッチ類はコレクションにより色や形の違いはあれど、機能的に配置される。
まずオーナーがシートに座って最初に戸惑うのが、ハザードスイッチだろう。
センターコンソールにハザードと思しきものは何一つない。そして目をセンターメーターにやったときそのメーターの前に
まるで「もぐらたたき」のようにハザードスイッチが埋め込まれている。
それ以外にも、エア吹き出し口や、レバーひとつとっても角が立つものはない。
トゥインゴ2からは、スピーカーの位置が変わり、スイッチ形状が既製品的な形からなんと「バナナ」!?形になった。
さらに、豪華内装を施した「イニシャル」、様々なブランドとタイアップし、「ケンゾー」「ベネトン」「エリート」といった限定モデルを生産している。このうち「エリート」は国内でも販売された。
2000年モデルから、フルモケット、ドアスピーカーなどの追加装備が備えられる。
機関
トゥインゴが搭載する1.2L OHVは古くはR4、5に搭載されていた通称クレオンユニットの最終発展型である。
少々のことでは壊れないタフなエンジンだ。
変速装置に導入されたイージーシステムは、シフトノブに仕組まれた感圧センサーからの信号とアクセル開度を検知し、クラッチを自動的に切り離す装置で、非力なエンジンでもトルコンATのようなパワーロスを出さない仕組みで、元はハンディキャップ用の運転補助装置である。
しかし、この装置はドライバーの操作の癖で発生する半クラ状態の問題や組み込まれているスフィア(窒素注入した圧力タンク)の精度の問題で、イージーシステムが作動しなくなるトラブルをおこしがちである。
(イージーシステムは2003年と2004年にリコールされています。)
3rdコレクションからは、エンジンがOHCのD7Fに変わり、トゥインゴ2からはイージーシステムもより堅強なものになった。
2000年からイージーシステムは廃止され、「クイックシフト」と呼ばれるシーケンシャルMTに置き換わり、
ホイールの14インチ化、それに伴うブレーキの大径化、サーボアシスト、スタピライザなど足回りの強化が図られた。
また、高性能1.2L16Vユニット搭載モデルがラインナップされた。
日本で
1995年。発表から2年の歳月が流れ、マイナーチェンジを受けた2ndコレクションと呼ばれるモデルがついに日本上陸を果たした。
当時は異例で、本国カタログ色全色が導入されることになった。
グレードは2種類、本国上級モデルの「パック」、そのパックの5MTをシフトペダルのないセミATに仕立てた「イージー」で、後者はAT限定免許でも運転できるMTであった。
さらにフランス車として異例で、「ゲンロク」別冊で特集本まで発売された。
フランスモーターズの最販車種となるものの、その台数は4000台強にしか及んでいない。
やはり国内では、左ハンドル+MTという組み合わせが、「食わず嫌い」で敬遠された結果なのだろう。
左であるということで「一人でドライブスルーに入れない」「高速の支払いが面倒」といった欠点はあるが、このサイズではあまり気にならない欠点でもある。
一度でもそのシートに腰を沈めると、国産車では体験できないハッピーな生活を盛り立てくれるであろう。
機関性能 |
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1stコレクション('92〜'94)/2ndコレクション('94〜'96)/3rdコレクション('96) |
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サイズ(mm) |
全長 3,425 |
重量 |
エンジン |
C3G |
55(52)bhp@5,300rpm |
ミッション |
・5MT |
5MT |
3rdコレクション('96〜'98)/twingo2 4thコレクション('98〜) |
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サイズ(mm) |
変更無し |
重量 |
エンジン |
D7F |
60(58)bhp@5,250rpm |
ミッション |
・5MT |
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twingo2 5thコレクション(2000〜) |
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サイズ(mm) |
変更無し |
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エンジン |
普及モデル |
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高性能モデル |
75bhp |
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ミッション |
・5MT |
歴史はこんな感じ |
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1stコレクション('92〜'94) 正規輸入無し |
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色 |
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標準装備 |
シートベルトプリテンショナー |
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オプション装備 |
前輪ABS |
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2ndコレクション('94〜'96) '95より正規輸入開始 |
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色 |
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標準装備 |
シートベルトプリテンショナー |
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オプション装備 |
前輪ABS |
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特別仕様 |
twingo
Alizé(or Air,or Wind,or Spring) '95(未導入) |
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3rdコレクション('96〜'98) |
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色 |
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標準装備 |
シートベルトプリテンショナー |
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オプション装備 |
前輪ABS |
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特別仕様 |
ジャングル (本国のみ) |
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twingo 2 4th('98〜2000) |
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色 |
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標準装備 |
シートベルトプリテンショナー |
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オプション装備 |
前輪ABS(本国は2000年モデルから標準装備) |
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特別仕様 |
電動パノラマルーフ(全面サンルーフ) |
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twingo 2 5th(2000〜) |
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色 |
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新装備 |
デュアル+サイドエアバッグ(キルスイッチ付き) |
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オプション装備 |
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特別仕様 |
電動パノラマルーフ(全面サンルーフ) |
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twingo 2 6th(2002〜) |
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色 |
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新装備 |
緊急ブレーキ助力装置 Emergency
Brake Assist(EBA) |
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オプション装備 |
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特別仕様 |
電動パノラマルーフ(全面サンルーフ) |
twingo 2 7th(2004〜現行最終型) |
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色 |
調査中 |
新装備 |
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オプション装備 |
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特別仕様 |
KENSO |
大きなリビジョンは97年のエンジンのOHC化、98年の2による安全性能の向上でしょう。