かねてより行っていた。 女が現れた だがそれは一本の長い長い糸の先にいる。 お互いの顔も名前も知らず。 ガラスの板を通してのみ出会えるのだ。 想いは増え、今日一日、明日一日、増して行く 知っているのは互いの本音?いや、心の中の憂いある偽りの自分? ただいえるのは、お互いに知らないからこそ言える二人の心の音 この空間と隔たった空間とを繋ぐ糸。 生きている間に逢えるかどうか判らない人にでも恋をし、 喜怒哀楽を共有することが出来る。 そのつながりは心の根底でつながる無意識より確かに二人を結びつける。 今から先にあるであろう、おのれの分かれ道。 ただそのどれを選んでも、その後 それは運命となる。 原作:失念(1998頃)