2005年9月、前年下見で終わってしまった赤石岳・大沢岳に山に登ってきました。
9月19、20、21、22、23日の4泊5日。ただし、登山のスケジュールは20〜22の2泊3日。
またもや連休の谷間を埋めるべく9月に遅い夏休みをとりました。9連休になるかと思いきや、最初の3連休は真ん中の日に仕事。
2004年に下見をした大沢渡コースから大沢岳・赤石岳を登ることにしました。
初日は移動だけのつもりだったので、朝9時に家を出て飯田インターへ向かう。高速に乗り、アクセルを踏んだ途端・・・なんと、今年も車に異常が・・・・(汗。
スピードメーターが100キロを越えると、針がカクーンと落ちるではないか・・・。どうも車速パルスがつながってしまっているような雰囲気。100キロ超えると速度が当てにならないので、タコメーターをスピードメーター代わりに運転。戻ったら直ちに修理に出さないと・・・。
ハイランドしらびそは前日に予約をしましたが、まだ十分空きがありました。夏休みは終わったし、紅葉にはまだ早いのでこの時期はけっこう空いているようです。
夕食は去年と同じ遠山郷の名物のフルコース!今年も料理の説明をしてもらいました。(説明してくれたのは去年と同じく、きれいなお姉さんです。)
山から戻ってきた晩は、初日とは別の名物料理でした。この日もやはり説明があったのですが、山から降りてきた疲労で、すっかり右の耳から左の耳へ・・・(お姉さん、ごめんなさい。)でも、とても旨かったです!
ハイランドしらびその案内はこちらへ。
と、登山とあまり関係ない話はこの辺にして、登山記録にうつります。
日付:2005年9月20日
出発地点:ハイランドしらびそ
出発時刻:午前4時35分
コース:しらびそ峠→大沢渡渉点→大沢岳→百間洞山の家
標高差:下り800メートル強→登り1800メートル弱→下り300メートルほど
まだ、暗いうちにしらびそ山荘を出発(標高1916m)。なにしろ、今日のコースはとても長い。コースタイムを単純に足すだけで11時間35分。
休憩をしつつ登ってコースタイムを若干下回るのがこれまでの基本タイムだったので、ちょっと余裕をみて最悪12時間あれば着くかな?たぶん、コースタイムくらいで着くだろう。と予測はしたが、どんなに遅れても暗くなる前には着けるように日の出前に歩き始めることにした。
この読みが甘かったことがあとではっきりするわけだが、順を追って経過を記そう。
この時期の4時半といえば、まだ真っ暗。懐中電灯と月明かりを頼りに林道を下り始める。5時10分を過ぎたあたりで懐中電灯はいらない明るさになった。
大沢渡下降点には、6時20分に到着。この時点でコースタイムを50分ほど上回っている。このときは、まあこんなもんだろう・・・と思っていた。
林道の様子も前年と特に変わったところもなかった。
ここからがいよいよ山歩きである。天気はまずまず。すでに出発地点のハイランドしらびそから300mほど下っている。ここから渡渉点まで、一気に500mほど下る急な九十九折の登山道だ。下り始めていきなり、3度ほどズルッと滑った。まだ足が慣れていない。踏み跡狭いとガイドにあるが、迷うような踏み跡はまったくないので、特に注意することはない。足元に気をつけるのみ。
次第に沢からの音が大きくなってきて、7時10分に渡渉点に到着。ここも時間通り。よってまだ50分ほどのゲインがある。渡渉点の様子は去年とまったく一緒で、荷物用の渡し籠があるが、橋は架かっていない。一番浅そうなあたりを選んで渡渉する。水深はおおよそ膝まで。ここで、ハイランドしらびそで用意してもらった朝食を食べる。空を見上げるとやや雲が出てきたようだ。
7時20分に唐松峠に向けて登り始めた。この後登山地図によれば、尾根に出るまで7時間ほぼずっと登り続けなければならないはずだ。
30分ほど登ると大沢山荘前に出た。2階建ての小屋で外見は一見しっかりしているが、無人だ。中を探検してみようかとも一瞬思ったが、まだまだ先は長くここで時間をつぶすのももったいないので、そのまま通過。このあたりから、黒い被服電線が林の中に張られていてそれに沿うようにコースが続いている。さらに登ると林道跡に出た。突然目の前に石垣が見えてこんなところに昔小屋でも立ってたのかなぁと思いその先に出てみると林道跡だった。林道跡にでて、数メートル左に登ったところから再び登山道が続いている。林道の立ち入り禁止の標識と登り登山道の標識はあるものの、下り登山道の案内板はないので、注意が必要だ。ここで標高はおよそ1500m。まだ大沢渡下降点より標高は低い。樹林帯をさらに登るが、途中2度ほど目印を見失い尾根を直登しそうになって引き返したりした。それほど傾斜が急ではないので、踏み跡が薄いと道を見失いがちである。このあたりで、一人上から下ってきた人とすれ違う。今日は百間洞からきたそうだ。そう、今日の目的地。ここは、結構難コースだねーと言っていた。少し心配になる。小さなピークらしきこぶを登ったり下りたりしながら進むとからまつ峠の看板があった。しかし、この地形、どう見ても峠には見えない。通過時刻は11時00分。この区間もコースタイムどおり。しかし、このあたりから、ちょっと急な登りで足の進みが悪くなってきた気がする。
何箇所かルート上に比較的新しい倒木があり、迂回していかないといけないポイントがあった。しばらくすると傾斜がきつくなり、ガクッとペースが落ちる。およそ出発してから8時間ほど経過したあたりからだろうか。このあたりでは尾根の深ヶ沢側を通ることが結構多かったが、からまつ峠までと比べると踏み跡の幅は非常に狭く歩きにくかった。からまつ峠から稜線上までのコースタイムである3時間20分を過ぎるが、まだまだ尾根に出る気配がない。樹林帯が低木に変わり、ハイマツが混じり始めるが、まだ尾根は遠そうだ。ガレ場に出てようやく、尾根が近そうな雰囲気がしてきた。しかし、踏み跡は薄いし、すっかり雲の中にはいってしまったようで展望がきかず、ガレの上のほうに積まれている岩と、ちょっと長いかなぁという間隔で印されている赤丸を頼りに何とか、登りきった。この時点でなんと15時20分。
この区間ではコースタイムを1時間も超過してしまった。前半の貯金は使い果たし、すでに15分ほど遅れている。疲労がかなり足にきている。無理すれば休まずに歩けないことはないのだが、こんなところで足でもつると、えらいことなので最後の1時間は10〜30歩歩いては一呼吸というかんじで休み休み登った。雲の中、百間洞山の家への新道の取り付け地点を探すが、確認できなかったので、大沢岳山頂を経由するコースをとることにした。頂上へはすぐに到着。大沢岳は双耳峰で、南峰に三角点があった。標高2819.4m。ちょうど、南峰の頂上に差し掛かったときに雷鳥のペアが登山道の上を不器用に飛び跳ねていた。余裕があれば写真を撮ろうという気も起きるのだが、ここは暗くなる前に山小屋に着くのが最優先。雷鳥には悪いが、三角点の上を飛び跳ねるのを蹴散らすように山頂を通過。稜線上をしばらく歩くと急な下りに差し掛かった。ハイマツと岩の間をまっすぐ下まで標高差300mほど一気に下る。百間洞のテン場にひと張テントが見えたが、なかなか近づいてこない。最後は膝が笑いかけてしまったので、手を着きながら一歩一歩下る羽目に・・・。
結局百間洞山の家に着いたのは、16時45分、なんと出発から12時間以上もかかってしまった。
夕食の準備の時間はすでに過ぎていたが、お願いして牛丼を出してもらった。管理人さん、どうもありがとうございました。
結局この日は半日歩いてすれ違ったのは一人だけだった。アプローチが長くてマイナーなコースだからしょうがないのかも知れない。しかも平日だし。
この日の小屋の宿泊者は10名弱くらいだったが、話をしてみると、赤石岳方面からきて聖岳方面に抜ける途中の宿として選んだ人が多かったようだ。夕食後はわざわざ苦労して下から運んだビールを沢で冷やし、ぐぐっと一杯。体を動かしたあとの一杯は格別だ。
日付:2005年9月21日
出発地点:百間洞山の家
出発時刻:午前5時35分
コース:百間洞山の家→赤石岳→百間洞山の家
朝4時30分に電気がついた。まだ外は真っ暗だ。朝食は5時からだった。客室は2階で、食堂は1階にあったのだが、階段を下りようと一歩足を踏み出した瞬間。そう、足が・・・
筋肉痛でバキバキだ。翌日でよかった〜 などと言っている余裕などないほど痛い。手すりにつかまり階段を降り食堂にたどり着く。しかし、食事を済まして荷造りをしたり、水を汲みに行ったりしているうちに、痛みもほぐれてきた。結局明るくなった5時35分にサブザックに荷物を詰め替えて出発。
どうも、動き始めは鼻が詰まって調子が出ない。秋の花粉のアレルギーがでているようだ。鼻がつまったままで運動すると非常につらい・・・。やすみやすみ、百間平に登る。登るにつれ、日も上がっていき、薄雲も次第に晴れていき、百間平に上ったころにはすっかり晴れ上がっていた。アレルギーのほうも徐々におさまり、ペースが上がってきた。馬の背越しに見える赤石岳の山塊の大きさもさることながら、赤石沢を挟んだ向かいの聖岳の大きさは感動的だった。馬の背を超えて岩石地帯を斜めにあがる。百間平や馬の背から見るとなかなか厳しそうな感じに見えたが、実際歩いてみると、道も広いし、傾斜はゆるいし石はぐらつかないし、さすがメインコースだなと実感。斜面を横切るとしばし直登。登りきると赤石避難小屋が真っ先に目に入る。そしてその左側のピークが赤石岳だ。山頂には人影がみえる。(この日初めて人を見た。)山頂に上がると、縦走中の2人組と、小赤石岳との中間点に荷物を置いてあがってきた2人組みと一緒になった。標高3120mからの360度のパノラマはすばらしかった。証拠写真も忘れずにとってもらった。まだ9時前なのに、後はもう小屋へ戻るだけ。しかも戻りは下る一方。のんびりと景色を眺めていると、今度は10人ほどのツアーがやはり荷物をふもとにおいてあがってきた。さすがに、山頂で風に吹かれていると寒くなってくる。9時半ころまで山頂で過ごし、来た道をまた百間洞に向けて引き返すことにした。帰りも人に会わないのか・・・と思って歩いているとようやく百間平で一人すれ違った。小屋には11時30分には到着。朝用意してもらったお弁当(おむすび)も結局小屋で食べた。とにかく足の疲労を少しでも減らしておかないと、翌日はまた初日と同じコースだ。というわけで、12時過ぎから、昼寝(w。寝たり起きたりしながら夕食を待つ、だらけた午後でした。この日は、結局私以外に一人小屋にきただけで、前日とはうってかわって静まり返った小屋でした。この日も夕食後消灯まで雑談をしてすごしたが、皆、タフだなぁ・・とつくづく感心しました。初日完全にへばってしまったのがちと、なさけない。
日付:2005年9月22日
出発地点:百間洞山の家
出発時刻:午前5時20分
コース:百間洞山の家→新道経由大沢岳分岐→しらびそ峠
この日は前日の晴天とは打って変わって、雲の中・・・
月明かりもないので、明るくなるのを待って5時20分に出発。初日より1時間近く出発時間が遅いのがやや不安だが、最後は林道歩きなので多少時間がかかろうが、迷う心配はないのでどうにでもなるだろう。
やはり、歩き始めはまるでエンジンがかからず、1時間のコースタイムを20分もオーバーして分岐点に到着。初日に見つからなかった分岐点は初日に下を覘いたところからさらに100mほど下ったところにあった。大沢岳直下の分岐でこの日は2組4羽の雷鳥に出会った。どうも曇っているとうか、雲の中に入っているときのほうが雷鳥は活動的なようだ。
6時40分に初日に苦労した区間の下りに入る。下ってみるとその厳しさがよくわかる。尾根からほんの短い区間だが、ガレ場は足元があまりしっかりしていないし、そのあとも足場がしっかりしないは、道は狭いはペースが落ちるのも仕方ない・・・。唐松峠には8時30分に到着。下りは楽だなぁと実感。登りはあんなにつらかったのに下るときはこの辺は平らだなぁ。。。なんて思ってしまう。いよいよ、林道跡が近づいてきたのだが、最後の最後で目印を見つけられず、尾根をどちらに降りたらいいのかわからなくなる。まずはそのまままっすぐ下ってみるが、踏み跡が消えてしまう。いったん登り返して次は右に下りるがこちらはすぐに跡がなくなる。再び戻り返して左に下りようとするが、こちらは、一番斜面が急だ。結局また真ん中を選んで先ほどよりもう少し余計に下ってみることにした。すこし進むと林道跡が見えたのでそのまま下りることにした。標高差を考えれば、まあたいして外れたところではないだろう・・・というわけだ。林道に下りてまずは、やや傾斜を登る方向に進んでみた。しかし、一向に正しいコースの林道跡に出る気配がない。で、方向を変えて今度は傾斜を下る方向へすすむことに。しばらく進むと見覚えのある林道跡の広場に出た。結局ここで30分ほどロスしてしまう。一番急に見えた左へ下るのが正解だったようだ。もう少しわかりやすい印をつけておいてくれたらなぁ・・。かなり消耗したので、ここで昼食とした。林道跡の石垣を巻くようにさらに下る。電線に沿って下り大沢山荘に着いたのは11時すぎ。残りの行程を考えると、まだまだ余裕がある。というわけで、大沢山荘をちょっとのぞいてみた。人が入ってないためか、干しっぱなしのフライシートや食器類が多少散乱していた。ここでは泊まりたくないよなぁ・・・というのが正直な感想です。渡渉点には11時20分頃に着いた。雲は出ていたが、雨は降ってなかったので水深は膝まで。
靴の水気が切れるのを少しだけ待ち、残っていた食料と水をほぼ飲みきって背中の荷物を軽くした。(しかし、胃の中に・・・)ここまでくれば、あとはのぼるだけ・・・???である。ずっと下り続けた足には一気に500mあがる九十九折はかなりこたえた。それでも、コースタイムジャストの1時間30分で登れた。きついとはいえ、大沢岳直前に比べれば楽勝であった。最後の7キロの林道歩きは正直かなりへばったが、ハイランドしらびそには3時45分に到着。
というわけで、今回の登山のまとめ。
大沢渡コースはアプローチに時間がかかりすぎる(しかも、登り続けた体には後半かなりきつい)
次に南アルプスに登るなら静岡側からがいいな・・
2日目は晴天に恵まれ大満足。しかも昼寝つき。
目印を見逃すと激しく消耗。(もっと念入りに探すべきだと思った)
後日談
1.車はやはり、車速センサーの故障でした。1万5千円なーり。これから、どんどんあちこちが故障していくんだろうなぁ・・・(涙
2.上村名物『二度芋』で肉じゃがを作ってみました。下栗の急斜面で栽培されている「じゃがいも」で、通常栽培されているじゃがいもとは微妙に違うそうです。今年は豊作だったそうで、ハイランドしらびその売店にもたくさん置いてありました。大きさは、にわとりの卵とうずらの卵の中間くらいで、かなり小ぶりです。ただ、この芋を平地で栽培するとこんなに小さくはならないそうです・・・。
芋が小さいので、皮をむくのが大変でした。そのかわり、皮をむき終わったらすでに、ひとくち大。長時間煮てじっくり味をしみこませても、ぜんぜん煮崩れしませんでした。まだ、半分残ってるので、また肉じゃがを作ろう!
3.上村は10月1日に飯田市と合併したそうです。ハイランドしらびそは、村営だったと思うのですが、市営に変わるのですかねぇ・・・。今後も変わらぬ営業を続けてほしいです。
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